ウルフノート

楽しい嬉しいはっぴー美味しい

イタリア旅行記⑤(ブリティッシュ編)

芸術の街、フィレンツェボローニャから40分ほどの列車に乗り、たどり着いた。

中央広場で遅めの朝食をとった後、ドゥオーモへ。事前に予約しておいた、クーポラに階段で上れるチケットを持って、列に並んだ。予約をしたはずなのに、全然列が進まない…。前の人にこの列で合っているか確認をしたら、やっぱり合っているらしい。まあいつか入れるなら待とうと思って待っていたが、あまりにも暇だったので、前にいたご夫婦に話しかけた。どうやらイギリスから来たらしい。「これから上る階段、長いので頑張りましょう!」と言ったら、「長いんだ!」と少し驚かれた。これから463段上る予定だけど、大丈夫なのだろうか…。

やっと列が動き始め、もうすぐ入れる!という時、だんなさんが「これが最初の1段だね」と大聖堂外の階段を指さした。おお!ブリティッシュジョーク炸裂ッ!と感動した。

中は、結構狭い階段で、なかなか先が見えなかった。疲れてきたのか立ち止まっている人もいたが、謎の連帯感が出てきたのか見知らぬ人同士が「がんばれ!」と声をかけあう姿なども見受けられた。

 

長い階段を上り切って、クーポラを間近で見た。圧巻だった。この光景、目に焼き付けておきたい…。そう思いながら眺めていたが、私の心には一つ引っかかることがあった。上ってる最中にちらりと見えた建物が、遠目で見てもすごく素敵だったので、あの建物が何か知りかったのだ。

ダメ元で、女性スタッフに、あの建物は何か知ってますか?と聞いてみる。スタッフさんは快く対応してくれたが、建物はわからないらしい。あきらめようと思ったら、「わかりそうな人に聞いてくるね!」とどこかに聞きに行ってくれた。待っている間、そのお姉さんがいたポジション(出口誘導)をなんとなくやっていたら、またご夫婦と会った。「いつの間にかスタッフになってるね!(笑) で、何をしているの?」と聞かれ、事情を説明すると、持っていた地図を広げ、私が持っていた方位磁石を使って、大体この辺りじゃないかと検討をつけてくれた。この辺ならこのバスで行けるよ、とバスのことまで教えてくれた。そうこうしているうちに、さっきのスタッフとベテランスタッフが来て、相談後特定ができた。スタッフさんには迷惑をかけてしまったが、人の力が合わさるとすごいんだな、と感動した。

 

フィレンツェの街並みを眺めてホクホクした後、ウフィツィ美術館へと向かう。芸術は感じる派で、知識はあまりないので滞在1時間くらいかなと思っていたら、展示数が多くて気づいたら2時間を超えていた。すごい。

印象的なものはいくつもあったが、個人的に好きだったのは横たわる裸婦像である。

私たちが入れない部屋の中に、こちらから顔が見えない裸婦像が絶妙な方角からスポットライトを浴びて横たわっていたのだ。すごくセクシーだった。作品もよかったし、展示の仕方も面白かった。以前、山の連なりを横たわる裸婦になぞらえて絵を描いていた人がいるが、色々な表現があるんだなあと感じた。

ウフィツィ美術館を出た後、かわいいクッキーを食べて、東にある港町、アンコーナへと向かった。

 

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イタリア旅行記④(おじちゃんズ編)

Italoでヴェネツィアを発って2時間。ボロネーゼで有名なボローニャに到着。といっても、目的地のフィレンツェまでが遠いので、ボローニャでは夕方から滞在、一泊するだけだ。電車の中で十分休憩が取れたので、ゲストハウスにチェックイン後、すぐに出かけた。

天気は生憎の雨。学生が多いこの町で暮らしたらどんな学生生活になるのか、思いを馳せながら40分ほど歩いたら、晩御飯を食べる予定のレストランにたどり着いた。

Osteria dell Orsa。外はもう結構暗く、寒くなっていたけれど、お店の中はお客さんがいっぱいで明るい。相席の席を案内されて、La Bassaというビールを頼む。暖かい店内、ビールでホクホクしていたら、相席の人たちがちらちらこちらを見てくる。うん、アジア人女性が一人でここにいるのは珍しいのかもしれない。その内の一人と目を合わせて会釈したら、「どこから来たの?」と声をかけられた。

相席したのはスウェーデンから来たご夫婦とベルギーから来たおじちゃん&おばちゃん3人組。おじちゃんズはお酒も進んでて陽気だった。EUの話や旅行の話とかをしていた。待望のボロネーゼがやってきた。日本のボロネーゼより肉々しい。隣に座ってるおばさんに、何を食べているか聞いたら食べていたラビオリのスープとトルテリー二のパスタを分けてくれた。味はもちろん、人から分けてもらえたという幸福感で二度美味しかった。

また40分歩いて戻らなければいけなかったので、食事が終わった後、すぐ出ることにした。ご夫婦とおじちゃんズはまだ残るようだ。「ビールを飲むならベルギーでね!来てね!」と言われたので、ベルギーにもいつか行ってみたいと思いながら、お店をあとにした。

 

その日泊まったゲストハウスは、安くて広く、ノマドワーカー向けのゲストハウスだった。外にバーべキュ―セット、カフェ、Cinema室 や会議室もあった。

皆のんびり思い思い過ごしている。こういうゲストハウスは新鮮で面白かった。

けれど、一つ嫌なことがあった。シャワー室の排水溝が詰まっていたのだ。ただでさえお湯がぬるいのに、水が排水されるまで待ってシャワーを浴びて、また排水を待って…を繰り返した。なかなか寒かった。その日は凍えながら眠った。

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イタリア旅行記③(ジェラートは食べるもの?映えるもの?編)

2019年10/15。私は遠い地、イタリアで肩を落としていた。

 

パスポート、クレジットカード2枚と現金半額をなくしたのだ。

 

到着してまだ二日目、さあこれからだ!というときに、シークレットポーチが体に巻き付いてないことに気が付いた。

いつだ?昨日ゲストハウスに到着して、ブラジル人のゲストと話して、「私昔ブラジル住んでたんだ、ポルトガル語少し話せるよ!ポキーニョ!(少しだけ!)マッサン!(りんご)ハハッ」と記憶にあるなけなしのポルトガル語を言った時…はまだあった!ということは…共同のシャワーだ……誰が次使ったんだろう…

考えを巡らせながら、オーナーに預かっていないか聞いたら、「ない」との返答。

終わっっったわ…ここから近いのはフィレンツェにある日本大使館…パスポート紛失届発行にこれくらいの時間がかかって…帰国までには間に合う計算だけど念のため職場に連絡しなきゃ………

人間、不思議なもので、慌てすぎると冷静になるものである。

 

とはいえ、午前中はゲストハウスで様子を見ようと、滞在者に「私のシークレットポーチを知らない?」と聞きながら回っていたら、イギリスから来た短期留学生と少し仲良くなった。美術専攻で、Japanese Animeが好きらしい。いつか日本に来たいと言ってくれた。有難い。セーラームーンの話をしていたら、オーナーに「落とし物を拾った人がいる」と声をかけられた。持ち主のもとに小走りで向かったら、若い男性が私のポーチを掲げ、「これ、君の?シャワー室にあったから、盗まれないようにとっておいた」と言った。神か。神なのか。配慮が神。

後で中身を確認したらすべて無事だった。到着したばかりなのに、早速ポカをしたことを反省しながら、留学生にお別れを言って、ロスした時間を取り戻すべくヴェネツィアの町に繰り出した。

 

まずはサン・マルコ大聖堂に向かった。もともと早めに行って空いている時に入ろうと思っていたけど、朝のドタバタがあって無理かな…と覚悟していったら、15分で入れた。ラッキー!

豪華絢爛だった。モザイク画職人に思いを馳せた。

 

小腹がすいたので、イタリアといえばこれ!ジェラートを食べた。

購入後座って、まずは記念にとジェラートの写真を撮ろうとしたら、通りすがりのおじさんに「食べて!」と笑われた。ええねん、ジェラートは撮るものでもあんねん。旅行先ではなんでも撮るねん。そう思いながらのんびり食べていたらあっという間に溶けて垂れてきた。あらま。

 

乗る予定の電車に時間があったから、ムラーノ島とサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会に行くことにした。

ムラーノ島に行ったら、中国出身のご婦人が優雅にベンチに涼んでいてとても絵になっていたので、「あなたがここに座っている姿がとても綺麗なので、写真を撮っていいですか」と聞いて、写真を撮らせてもらった。

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ヴェネツィアングラスはそんなに興味はなかったので、街並みを眺めながら歩いていたら、ヴェネツィアンガラスでできたライトを見ているイケオジを見つけた。イタリアに来る前、一緒に話していると愉快で楽しい職場のお局さん(50)に「しんちゃん、イタリアでイケメンを見つけたら私に紹介して~!!」と言われていたことを思い出した。あのイケオジを紹介できたら私の株があがるかなと思ったが、いきなりイケオジに話しかけたら不審者になってしまうのでやめた。

サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会(以下教会)は、海の上にある教会だ。海からヴェネツィアを見てみたいと思って、行ってみた。

期待していたより圧倒的に好みな場所だった。鐘楼から見える景色は、ジョージ像がとても映えるし、建物の配色も良い。また、教会内にあった最後の晩餐の絵画が、立体感があって面白かった。

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企画アート展もやっていたので、行ってみた。言葉(ラテン語?)が塗りつぶされている大きな本の上を蟻やらハチやらが歩いている絵がたくさんあった。ダリにテイストが似ていると思いながら、広い島内を散歩した。

 

この旅最後になるであろう船に乗る。映画の曲である「謎の少女、再び」をイヤホンから流した。もしかしたらいるかもしれないラティオスラティアスを探しながら海を眺めた。

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イタリア旅行記②(アルトマーレ編)

 

10月14日15:00過ぎ。17時間ほどのフライトを経て、無事マルコ・ポーロ国際空港に着いた。

到着ロビーに着き、約束をしていた女性を探した。一人旅だったが、ある目的を達成するために、現地ガイドのREIKOさんと会う約束をしていたのである。

 

REIKOさんと無事合流し、空港から脱出。世界最古といわれているカジノを外から眺め、REIKOさんおすすめのダニエリに入ってみた。入って内装を見ていたら、ホテルマンに話しかけられた。ごめん、宿泊客ではない…。けれど、開き直って、撮影の許可をもらい、ドヤ顔で写真を撮る。

私がヴェネツィアに憧れを持っている理由はいくつかある。理由の一つが、映画「ポケモン 水の都の守り神ラティオスラティアス」だ。この映画、アルトマーレという島国が舞台である。この島では、伝説のポケモンラティアスラティオスが災いから守ってくれたという言い伝えが残っていて、今でも彼らの子孫が島にやってくるらしい。

この映画の中で、特に好きなシーンがある。主人公のサトシが、この映画のヒロインを追いかけ、路地に迷い込むシーンだ。演奏者のCOBAさんのアコーディオンの音色も素敵だし、カメラワークも秀逸だ。このシーンの再現を、ヴェネツィアに来てやりたいと思っていた。

REIKOさんにカメラを渡して、いざ撮影!けれど…暗かった。思ったような動画は撮れなかった。いつかGoProでも買って撮影できたらいいな。

 

REIKOさんと解散した後、イカ墨パスタのお店へ。

ヴェネツィアイカ墨パスタが有名らしい。食べたことはなかったが、初めて食べるイカ墨パスタはヴェニスの空気を吸いながらにしようとお店に入った。

一人で来る女性客は珍しいのか、ちょっと怪訝そうな顔をされた。通された席は、厨房の人と目が合う席。なんだか居心地が悪かったが、気にしないことにした。イカ墨パスタとともに、なんとなく白ワインを頼んだら、思ったより大きいものがきた。そして、思ったより多いパンもきた。お腹に入り切るのか、私…!

そしてお待ちかねのイカ墨パスタ。真っ黒だった。イカも墨で真っ黒だった。恐る恐る口に運ぶ。

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むむ、美味しい…! 孤独のグルメ井之頭五郎のような面持ちで、日本より硬いパスタを食べきった。

 

満腹になった後、宿泊予定のゲストハウスに行くため、船着き場に向かう。けれど、一向に船が来ない。チケット売り場のお姉さんに正しい乗り場を聞いても、よくわからなかった。その後、40分くらいうろちょろして、結局来なかったので、30分ほど歩いて向かうことにした。結構しんどかった。

 

次の日のう○ちは真っ黒だった。衝撃だった。

 

 

イタリア旅行記①(幸せのお裾分け編)

 

4時過ぎに目が覚めた。初めての空港泊だったせいか、あまり眠れなかった。羽田空港を出発する時間は6:10。オンラインチェックインも済ませたし、やることがない。でも今寝たら起きられない気もしたので、旅行の日程の詳細を決めることにする。

 

"秋にイタリアに行きたい、絶対行きます"と半年前から職場で宣言していたものの、飛行機のチケットを実際に取ったのは出発の2日前だ。決めるのがギリギリだったせいで、飛行機が発つ時、宿と移動手段しか決めていなかった。ツアーも特に申し込んでいない。行きたい場所は北の方にある水辺の街、ヴェネツィアと東にあるアコーディオンの町、カステルフィダルドの2箇所だったが、せっかくイタリアに行くのだから、フィレンツェ、ローマも行くことにした。ナポリのピッツァも食べたかったが、それはまた別の機会。

 

飛行機が飛び立つ。機内では、予め購入しておいたarucoと何冊かの電子書籍で、予定の詳細を決める。

8:35に仁川国際空港に到着。ソウル市街に出たいと思ったが、出るには時間が足りなかったのでやめた。韓国にいる人たちは、靴が新品なのか?と思うくらいとてもきれいで、肌のトーンが明るいと感じる。これがK-POPの国か。

 

次に乗るのは10:15発の便。11時間ほど乗ると、マルコポーロ空港に着く。私が選んだのは窓際の席で、お隣に綺麗な若い韓国人カップルと思しき人たちがいた。すごく幸せそうだ。見てるこっちがほっこりする。出発すると食事が出され、食事が終わると機内がナイトモードになった。そうか、イタリアは夜か。眠るべきだと思いつつ、全く眠くなかったので、手元灯をつけて1時間ほど旅行の予定を詰めてから寝た。

 

たっぷり時間があったので、機内で旅行期間5日分の予定が全て決まってしまった。

暇だ。何をしよう。

適当に液晶モニターを見ていたら、ディズニーの実写化アラジンを見れるようなので見ることにした。

 

機内は寒く、こんなに長時間座りっぱなしだと、お手洗いが近くなる。窓側から通路へ道を開けてもらうことが何度かあり、それがきっかけでお隣のカップルと少し話すことになった。お二人は、つい昨日結婚式を挙げたばかりで、ハネムーンで2週間ほどイタリア旅行をするそうだ。幸せの絶頂すぎる。沢山お祝いの言葉を送る。

 

昼食の後、隣のご夫婦がビールを頼んでいた。kloudという、韓国のものらしい。人並みに酒を飲む私は、"韓国のビールって、どんな味ですか?"と奥さんに聞いてみた。

すると、"うーん、なんて言えばいいんだろう、そうだ、奢るよ、飲んでみなよ!"とCAさんを呼んだ。"いやそれは申し訳ないです、大丈夫です"と伝えたら、"折角だし飲んでみて!"と言ってくれて、一缶奢ってもらうことになった。

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お礼を伝えた後、韓国語の乾杯、"チャン!"と言って飲み始める。味は日本のビールと近かった。炭酸が強い辛口ビール、アサヒビール寄り。普段、ビールはゆっくり、少しずつ飲む方だが、その時は早めに飲み切った。私は酒が入って少し陽気になった。

幸せ絶頂のご夫婦から幸せをお裾分けしてもらって、イタリア旅行、良いことしか起こる気がしないぞ。楽しみだな。ワクワクしながらイタリアに着くまでの時間を過ごした。

2019.10.14

イタリア旅行記No.0.5

仕事終わり、残業せず家に直行して、用意していたスーツケースと旅行カバンを手に取り、電車に乗る。荷物が重い。そりゃそうだ、1週間、イタリアへ一人旅へ行くんだから。

カバンには、一人旅だという緊張、うまく話せるかわからないという緊張など、色々な緊張が詰まっている。けれどカバンの重さが気にならなかったのは、これから行く土地への期待のおかげだろう。

乗る飛行機は朝6:10羽田発のもの。仁川空港で乗り換えて、15:05マルコポーロ空港に着く。

浅草線羽田空港行きの終電に乗りながら、まだイタリアに行く実感を持てないでいた。

ぼーっとしていたら電車が止まった。動く気配がない。おかしいぞ、この電車、羽田空港まで行くんじゃないの?

駅員さんに聞いたら、乗るべきものとは違う電車に乗っていたらしい。京急蒲田駅で足止めを食らった。まさか国内でやらかすとは。仕方ないので、タクシーを使うことにした。初めて蒲田に降りたら、酔っ払ってタクシーに怒鳴ってるおっちゃんがいた。こっちの方面は治安が悪い、怖いなあ。そう思いながらタクシーを捕まえる。蒲田から羽田空港までのタクシー代、1500円くらい。初っ端からいらん出費をしてしまった!

でもまあ、これも良い思い出、と思うことにしよう。

 

朝00:45。ようやく羽田空港に到着。長かった。今から朝まで、どこかで眠るとしますか。けれど、遅い時間だったせいか、椅子が全然空いてない。1時間ぐらい歩き回って、ようやく見つけた椅子に横になり、眠った。

 

2019.10.14