ウルフノート

楽しい嬉しいはっぴー美味しい

北海道旅行②(脱獄編)

北海道1日目の朝。アラームが鳴る。少しひんやりとした空気で、布団から出たくなかったけれど、無理やり体を起こした。時間通りに動かなければ、このタイトなスケジュールを完遂できない。昨日宿の主人からもらった鯛型のパンと晩御飯のお土産のほっけの開きを飲み込むように食べる。朝から匂いがすごい…。まあ誰とも会わないし、いいか。

 

食べ終わったら、網走監獄博物館の開館時間に合わせて、宿から40分程歩いた。途中、ヒッチハイクをしたい気持ちにもかられたが、おそらく通勤時間で悪目立ちするだろうから、あきらめた。

少し早歩きで歩いて余裕を持って着こう、と思っていたが、北海道の大自然がきれいで、何度も足を止めてしまう。印象に残っているのは、網走湖。水が綺麗で反射するため、湖の中に空が見えた。たくさんの白鳥が求愛行動で鳴いていた。水の波紋があちらこちらに広がっていた。しばらくぼーっと眺めた。歩いているからこそじっくり眺められたんだと思う。

 

足を止めながら歩いたので、最後の方は小走りで移動、ぎりぎり開館時間に間に合った。全部見て回るのに3時間かかった人もいると聞いていたので、急いで入った。

 

建物をみて、監獄だというのに赤煉、白の色遣いと形がかわいいと思った。明治時代に完成した建物らしい。色々な説明書きを見て回る。川という地形を生かした監獄。人を見張るための工夫が凝らされていた。

 

ところで、私はゴールデンカムイがとても好きで、今回は半分聖地巡礼、みたいな気分で回っている。ゴールデンカムイの中で、白石という、脱獄得意キャラがいるのだが、実際にそういう人がいたらしい。白鳥由栄という人だ。巡回に回っている看守が、部屋にいるか確認するために使う、目線ほどの高さの小窓から逃げたという逸話がある。本当かどうかわからないけど、本当ならすごい。‘’破獄‘’というその人の伝聞が書かれた本があって、いつか読みたいと思っている。

明治政府が進めた北海道開拓と網走監獄は密接な関係で、見方によっては苦い歴史だそうだ。寒い中、食べ物も少ない中で、北海道の道を作る。作業をしながら亡くなる人もいたらしい。

館内を2時間弱ほどの時間で回った後、急いで北方民族博物館へ向かった。滞在時間30分ほど。太陽の塔の内部を見たときから、なんとなく土着信仰みたいなものが好きになった。お面とか、北方ならではの材料を使った衣服などが展示されている。少し小さな館内だったので、あっという間に周り終わった。

 

そのままバスに乗り、12時30分のオホーツク号に乗る。乗車時間3時間50分程だったので、駅にある不愛想なおじさんが販売していた海鮮弁当、磯宴とポテチ、お水を購入した。とても不愛想なおじさんだったけど、あの忙しさじゃ疲れちゃうよね、ファイト!と心の中で思った。

もう3月も終わる時期だというのに、北海道はまだまだ雪だらけだった。電車から見える景色は真っ白。鹿とかシマエナガとかいないかな、と最初は目を凝らしていたが、見えるはずもなく、次第に電車の揺れが心地よくて眠ってしまった。

 

旭川に到着。ここに1時間滞在して美瑛に向かう予定だったので、何か手ごろなものを近場で食べようかな、と考えていたのだが、旭川に着いてから、ふと’’旭川ラーメンを食べたい’’という衝動にかられたので、急遽ラーメン青葉に向かうことにした。余計なお金を使いたくないので歩くことにした。片道徒歩15分。少し早歩きで向かったら、少し込み始めていたが、まだ席につけた。

入ったら愛想のいいおばちゃんに、「好きな席座って」と声をかけられた。私が席を迷っていると、「あなた、この映画見た?」と壁のポスターを指さされた。貼ってあったのは、菅田将暉と小松奈菜が出演している’’赤い糸’’。新婚ほやほやのお二人が出ているこの映画のロケ地は、北海道で、撮影の合間にラーメン青葉に食べに来たらしい。

「あなた、この人(菅田将暉)好き?この人は、この席座ったよ」と、窓際の席を案内される。特にファンというわけでもなかったが、とりあえず座ったら、「ラーメンどれにする?この人は醤油頼んだよ」と言われた。特に決めていなかったし急いでたので、醤油を頼んだ。

 

やってきたのは、脂っこすぎず、さっぱりしすぎていない、ちょうどいい加減のラーメン。急いで食べる。

意外と常連さんが多いのか、スタッフの女性がお客さんとよく話していた。有名になってんも、地元の人を大事にするの、とてもいいなあ。

15分かからず食べ終わり、急いで駅に戻ったら、余裕を持って座れた。

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いざ行かん、美瑛!

 

北海道旅行①(流氷目指して編)

2022年3月22日。私はウキウキしていた。なぜなら、転職前の有給消化1日目。私は3泊4日のウキウキ北海道旅行へと向かっているからだ。

 

あまりお金がないため、昼過ぎ発のPeach便を使った。荷造りをぎりぎりまでやってしまったのでお昼は成田空港内のカレーを急いで食べた。あまり無駄遣いはしないぞ!と意気込んでいたはずが、レジにあったサザエさん饅頭がかわいかったので北海道に一緒に連れていくことにした。

 

私にとって、今回が初の北海道だった。3月末で春に差し掛かっているが、どれくらい寒いかわからなかったので、ヒートテック、一番暖かい羽織ということでスキーができそうな暖かさのコート、防水の靴など、荷物は重いが防寒はばっちりだった。

北海道は端から端までで東京ー京都間以上の距離があるというが、私は今回の旅で網走、旭川、美瑛、小樽、札幌を回ることにした。札幌の五稜郭も行きたかったが、車無しの北海道旅行なので、流石にあきらめた。

飛行機が出発する。飛行機が飛ぶ瞬間の浮遊感を感じるたびに、『死にたくないなあ、落ちないでください』と心の中で唱えているので今回も唱えた。後ろの方はちらちら空いているが、前の方は満席だ。旅行中の時間割を決める。

2時間ほど経った頃、女満別空港に着いた。東京は雪が降っていたので、北海道はもっと寒いかも、と覚悟していたが、東京より寒くなかった。バスにのって、網走市内へ向かう。バスから外を眺めていたら、私の身長より高い雪が積もっていた。最近雪の話は聞いていないけど、溶けないのか…さすが北海道。

 

バスが網走駅前の到着した。ここから、その日泊まった民宿ランプに泊まる。大学の合宿で泊まるような場所で、なんだか安心した。玄関に入ったが、早すぎたのか宿の人の姿が見えない。ダメもとで奥の談話室みたいな場所に行ったら、おばあちゃんに気づいてもらえて、宿泊手続きをした。

「朝食はあったりしますか?」と聞いたら、ないが、冷凍パンを販売しているとのこと。明日の朝ご飯にしようと購入を決めたら、顔の大きさくらいの鯛の形のパンを渡された。ドラクエの貴重アイテムゲットの効果音が頭の中で流れた。「一晩部屋に置いたら自然解凍できる」と言われたので、部屋に置いて出かけた。

まず海に向かった。今回の旅の目標は色々あるが、そのうちの一つが、流氷を見ることだった。私が好きな作品の一つに、『私の男』という映画がある。その映画のワンシーンで、ヒロインにとって不利な事実を知ってしまったおばあちゃんが、流氷に流されるというシーンがある。その時の空気の冷たさや、海の音を肌で感じたかったのだ。

けれど、残念なことに、流氷はすでになくなっていた。心の中で『もしかしたら時期的にないかも…』と思っていたら、やはりなかった。なんでも、1週間前には沖の方に行っていて、既に見づらくなっていたとのこと。流氷オーロラ号も私が来た前日に運航を終了していた。悲しい…けど、まあ、時期が悪いし仕方がない、と思って、道の駅で牛乳を買って、飲みながら海を眺めた。

食事は、地元でも人気らしいお店へ予約をして行った。2時間ほど待たなければいけないといわれたので、どこかで時間をつぶす場所を探していた。しかし、都合よく見つからない。あきらめて、遠いけど民宿に出るか!と歩いていたら、明かりが消えている商店街の中のカフェから人が出てくるのが見えた。

なんとその人、パフェを持ってお向かいの散髪屋さんに持っていってた。急いでそのパフェを見に行くと、営業時間は終了している。あーあ。ここには入れたらラッキーだったのになあ。メニューを見ていたら、さっき歩いていたひとが戻ってきて、たばこを吸い始めた。姿を見る感じ、このカフェの店員らしい。

美味しそうだな…と、カフェの壁に貼ってあるメニューを見ていたら、店員さんに

「旅行中ですか?」と話しかけられた。

私「はい、そうなんです。有給が取れたので、来たかった北海道に初めて来たんです。こちらのお店の店員さんですか?」

店員「そうです。今日は材料が終わったので閉めちゃいました」

私「あー、残念です、メニューが面白いし店内の雰囲気がよさそうだし、日中に来れればよかったなあ。もう少しメニュー見て、明日またこれたら来ます」

少しじっくりメニューを見ていたら、店員さんに

「もし良ければクレープだけ食べますか?ちょっと内容が変わるけど」

と聞かれた。「食べます!」と即答して店内に入れてもらった。

 

入ってみたら、子供連れもゆっくりできそうなソファや遊ぶ空間もある良いカフェだった。早速パフェをいただいた。

店員さん、よくよくお話を聞くと、店長さんだったらしい。お向かいの散髪屋さんに同じ事情のクレープを差し入れしていたそう。素晴らしい。

食べながら少しお話した。私が着込んでいるから一発で観光客だとわかったこと、最近の北海道事情、美味しいお店など、色々お話した。

その中で、印象に残ったエピソードがある。

北海道の中でも、日本海側の海鮮とオホーツク海側の海鮮は味が違うらしい。店長さんは、網走出身で、カフェの店長になる前は会社の営業マン。北海道の中を転々としていたらしい。そこで色々な場所の海鮮を食べたが、日本海側に行くにつれて美味しくなくて食べられなかったとのこと。本気の様だった。果たして私はその味の違いがわかるだろうか。幼い頃から美味しいものしか食べてこないと繊細な舌になるのかな?と思った。

 

そこで少しのんびりさせてもらった後、予約していた居酒屋へ行った。民宿のおばちゃんにクーポンをいただいていたので、日本酒が無料だった。北海道産のお酒を飲む。1合かと思ったら1杯だった。飲みきれるかな。

メニューが豊富で、あまり見たこともないメニューもあり、オーダーに時間がかかったが、ザンギ(鮭の唐揚げ)とほっけの開きをいただいた。ザンギって、中国語の鳥の唐揚げに発音が似てるなあと思って調べてみたら、やはり中国語が語源らしい。ほっけの開きは、思ったより大きく、食べきれなかった。店員さんに食べきれなくてすみません、と伝えたら、「持って帰りますか?」と言ってくださったので、持って帰ることにした。有難い。明日の朝ご飯にしよう。

 

お酒を飲んでお腹パンパンで、明日の自分へほっけのお土産もある!ほろ酔いで外に出たが、冷たい空気が北海道にいることを思い出させてくれた。

 

明日は朝から網走監獄。今日は早く寝るぞ。

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イタリア旅行記⑩(Take five完結編。)

最終目的地、ローマ!広いので、ここだけ2日間いた。

 

到着後まず、ゲストハウスのオーナーお勧めのレストランでマルゲリータを食す。日本ってなんとなく男性が厨房、女性が接客って場所、結構あるけど、イタリアではお店に勧誘しているのは大体男性だよね、なんでだろう、と思いながらいただいた。

次の日の朝食はBALでサクッとエスプレッソとパンをいただいた。これぞイタリア式。

 

1日目はコロッセオ、スペイン広場、サンタンジェロ城の後、オペラ座ドン・キホーテを見た。

 

コロッセオで、ピザの作り方?らしき本が売ってて、この本を買わなかったことを今でも後悔している。誰か売っているのを見かけたらお土産に下さい。

スペイン広場は人が多すぎた。

間でPOMPIのティラミスと、生ハムが食べたすぎたので生ハムだけを食べにアンティパスト生ハムの盛り合わせを食べた。

私は海外に旅行に行った際は必ずそこの舞台を見ると決めている。今回、イタリア語はわからないのでミュージカルであるドン・キホーテを見ることにした。

劇場が豪華で素敵だった。終演後も幕に面白い仕掛けがしてあった。

 

2日目はヴァチカン市国へ。

スイスから来ていた衛兵がNice Guyだった。鳥が光っていた。宗教はお金が集まることを実感した。

 

2019年9月19日。もうすぐイタリアから離れる時間だ。

買い忘れたお土産はないかとフィウミチーノ空港内を歩き回っていたら、ピアノを見つけた。弾いている人はいなかったので、その時練習していたTake Fiveを演奏した。3拍手だけもらった。

5泊7日と弾丸で来たイタリアだけど、色々な人に助けてもらいながら楽しめた。またイタリアに行きたいし、やる気がなくなったらこの旅を思い出して頑張ろうと思える、良い旅でした。

終わり。

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イタリア旅行記⑨(番外編)

カステルフィダルドから一度ボローニャに戻って、そこから電車でおよそ4時間。

電車内では、外の景色を見ながら、千と千尋の神隠しのワンシーンみたいだ、なんなら鎌倉みたいだ、なぜか安心すると海を眺めた。

海を見ることに飽きたら、ハウルの動く城1『魔法使いハウルと火の悪魔』と2『アバダラと空飛ぶ絨毯』を読んでいた。1と違い、2の舞台はアラジンの世界が混ざってきて面白い。行きの飛行機の中でディズニーのアラジンも見ていたのでそことも比較できて更に面白かった。

 

1の中で、印象的なセリフがあった。

“老婆の中にも過去の乙女が含まれていて、乙女の中にも未来の老婆と同じものがあり、一人の人間として連続しているのは当然のことなのだけど、たいていの人は見ていないという。”

ハウルの動く城 1 魔法使いハウルと火の悪魔 (徳間文庫) by ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

 

人と関わる時はその人を多面的に見て、認められる人間でありたいなあと常々思う私にささる言葉だった。

 

 

移動時間、4時間。2時間の2倍だし、大丈夫!と根拠もなく考えていたことを後悔していた。途中で水がなくなり、小腹もすいてきた。昨日小さなスーパーでみた生ハム、買っとけばよかった。ローマまでの時間、長くてしんどかった。

 

※以下、若干下ネタを含むナンパ話

 

実は、アンコーナで、イタリア人に軽いお誘いをされた。そのエピソードが個人的に面白かったので、こちらに書かせていただく。

 

9/17朝、アンコーナの宿にキャリーケースを置いてカステルフィダルドへ向かう時、廊下で清掃担当らしきお兄さんに会った。目があったので軽いおじぎをしてその場は去った。

 

その日の夕方、荷物を取りに戻って来た時、その人にまた会った。なぜか立ち止まってすごくこっちを見てくる。「Ciao.」と言うと、その人が、「僕は英語が喋れない。」と拙い英語で言ってきて、8つ折りの紙を渡された。

その場で読むと時間がかかりそうだったので、一度部屋に戻って読んだ。

書いてあった内容は、"僕は英語が話せない、けど伝えたいことがある。あなたを見た時、僕は君の美しさに衝撃をうけた。けど、あなたはもうすぐいなくなってしまう。僕はあなたと仲良くなりたい。だから、もしいつもと違う夜を過ごしたりリラックスしたシャワーを浴びたいなら、別の部屋のドアをノックして欲しい"というものだった。意訳だけどこんな感じ。

いつもと違う夜を過ごすために別の部屋のドアをノックする…おお、すごい誘い文句だなあ、と思った。書いてある紙は何かの資料の裏紙だったのか、裏に印刷してあるイタリア語の文章が丁寧にペンで塗りつぶされていた。おそらく何かの本の目次を印刷したものだった。

うわあ!違う世界かー!気になるわぁ!と思ったけど、その日はローマ泊だったし、危ないからやめた。

一発やったろうという下心満載という要素も含んだイタリアの洗礼を浴びた気がした。

私より先にイタリアに行った友達が、店員にかわいい、美しいと言われて素直に嬉しかったと言っていた話を思い出した。もっと皆日常的に褒めればいいのに。色々と考えすぎだよなあと思った。f:id:framboiseTi:20220508185856j:image

 

イタリア旅行記⑧(castelfidaldo編)下

人生には予想外のことがつきものである。思い通りにいかないことに腹が立つ瞬間もあるけど、予想外なことは、時に笑いながら、時に鈍感になりながらうまく乗り越えられたらいいなと思っている。

 

けれど、さすがに…

アコーディオンミュージアムが改装工事中で入れないとは予想外すぎるぜブラザー………ッ!

いや、改造工事をしていたことはホームページで知ってたけど、半年くらい前に施工終了予定って書いてあったよね?噓でしょ…うわああああ

入り口はがっつり扉が閉まっていて、「立ち入り禁止」と書いてあった。

少し落ち込んだけど、段々笑えてきた。17時間飛行機に乗ってやってきた目的地が、閉まってたなんて!とんでもない笑い話だ!友達にLINEで報告したら、憐れまれた。ありがとう!!!残り私ができることはこの町を感じて帰ることだ!と町の端から端まで歩いた。

 

街の中心の広間に近づいたときだ。日本語が聞こえた。少し驚いたけど、そのまま広間に入ったら、カフェがあって、日本人男性が三人、そこで話していた。皆楽器を持っている。服は公演で着るようなおしゃれな服を着ていた。

その場から少し離れた後、昨日見たポスターを思い出した。もしかして昨日の関係者かな?

ということで、戻って話しかけてみた。

私「あの、すみません!日本の方ですか?」

男性「そうですよ~」

私「そうなんですね!日本語が聞こえたので、驚いて話しかけてしまいました!楽器をお持ちなんですね!どこかで演奏されたんですか?」

男性「そうなんですよ、昨日演奏して」

私「そうなんですね。もしかして、cobaさんの公演ですか?」

男性「そうですそうです」

私「え!そうなんですか!私今日ここにきて公演のこと知って!知ってたら日程はやめて来たのに、惜しいことをしてしまいました…。今度日本で公演行きます!」

男性「ぜひまた今度!あ、まだcobaいるかな…?会えたら会います?」

私「え…いいんですか」

男性「いいですよ、こっちです」

なんたる急展開!あのcobaさんに旅先で会えるとは!そこから下った先のVictoriaのお店に行き、ついにcobaさんと会うことになった。

店内にいるのはVictoriaの店員であるお姉さんとcobaさんだった。紹介してもらって、Victoriaの説明をお姉さんから聞き、いざcobaさんと話すとなった時、てんぱりすぎた私は、なぜか「公演はいつですか!」と聞いてしまった。おいおい昨日って言ってただろうさっきの方々が…と思っていたら、「終わったよ、昨日だよ」と言われた。なぜよりにもよってその質問をしてしまったんだろう…と自分を呪った。cobaさんは出発する直前だったらしく、すぐにその三人といなくなってしまった。

 

私はお姉さんとお店に二人になった。そこで、アコーディオンミュージアムに来たけど閉まってて見れなかったことを伝えたら、「仮のアコーディオンミュージアムがあるから、案内するよ!着いてきて」と言われたので、喜んで着いていった。

そこに向かうと、アコーディオンの音が鳴る仕組みの展示や、小さいアコーディオンがあった。お姉さんが一つ一つ説明をしてくれた。そして、私の今旅最大の目的、ギネスに乗っている世界一大きなアコーディオンが一番奥にあった。私の身長より大きい。音が出せるので動かそう、と言って、おじいさんを連れてきてくれた。製作者の方だそうだ。そのアコーディオンは大きすぎて手では蛇腹を動かせないので、機械で動かしていた。

まず初めにおじいさんが手本を見せてくれて、私もどうぞ、と弾かせてくれた。片手で一音しか弾けないから、全身で人生のメリーゴーランドを弾いた。

 

三人で話しながら撮影をしていたら、お姉さんが途中でいっていなくなった。おじいさんと二人。おじいさんはイタリア語を話したが、私に通じないことを察した後、簡単なイタリア語の単語、ジェスチャーや表情でやり取りをした。

一通り館内を見終わったなあ…と思ったので、おじいさんに「Grazie mille!Chao!」と伝えて、Victoria本店を見に行った。まだお姉さんがいたので、感謝の言葉と、私が日本でアコーディオンを練習していて、そのきっかけはcobaさんだと伝えたら、「え、そうなのね!昨日の公演でcobaアコーディオンが若い人にも広がってほしいから、色々な活動をしているといっていたから、それは伝えた方がいい!動画を撮って送るね!」と言われ、緊張しながらも撮ることになった。

何を言ったか緊張で頭が真っ白だったので覚えていないけど、あの動画は本人に届いたのだろうか…。すんごく恥ずかしいけど、届いていたらいいなあ。

最後にお姉さんにこれ上げる!とかわいいアコーディオンのキーホルダーをもらった。

すごく嬉しかった。

 

すごく名残惜しかったが、その日はローマに泊まる予定だったので、昼過ぎにカステルフィダルドを離れることにした。

町の滞在時間、およそ5時間。とても濃厚な5時間だった。

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イタリア旅行記⑦(castelfidaldo編)上

2019年9月17日。

 

朝、窓の隙間から差し込んできた朝日で起きた私は、緊張していた。今日は私のこの旅一番の目的、カステルフィダルドへ行くからである。カステルフィダルドは世界のアコーディオン生産量を8割を占めている町で、毎年アコーディオンの国際的なコンクールが開かれている。私は昔、映画「ポケモン 水の都の守り神」で音楽を聞いてから、アコーディオンの音色に惚れ、自分のお金で購入し、今も弾いている。日本人のアコーディオン奏者、Cobaさんもよく行く場所だということで、一度行ってみたいと思っていたのだ。

やっと行ける!と息巻いていたが、一つ問題があった。

出発日の朝になっても行き方がはっきりしていなかったのだ。日本人のブログなどを見ると、大体がアンコーナ空港から車で移動しているが、私の場合列車移動&車無しなので、そう簡単にはいかない。英語で調べてもわからなかった。とりあえず、バスがあるという情報は手に入れていたので、アンコーナ駅へと向かった。

 

駅へ向かうと、出勤の時間なのか意外に人がいた。チケット売り場のお姉さんにアコーディオンミュージアム行のチケットをお願いしたら、無事購入できた。乗り場は?と聞いたら、6番とのこと。向かったらバスが来ていたので、急いで乗った。

8割埋まっているバスに揺られながら、到着まで何分くらいかGoogleMapで確認をすると、おかしなことに気づいた。向かっている方向が駅から真逆の方向だ。

バスが止まった時に、運転手に「Fisarmonica Museo(アコーディオンミュージアム)?」と聞いたら、「No.」と言われた。オーマイガッ!別のバスに乗ってしまった!急いでおりて、5分ほど走って駅に戻る。早めに気づいてよかった~!

 

次は失敗しないぞと、また6番に並び、次のバスがアコーディオンミュージアムへ行くかどうか周りの人に聞いたところ、1、2人目にはわからないと言われたが、3回目に聞いた人が次のバスで行く、と教えてくれた。これで大丈夫だ!と安どのため息をついてバスに乗った。乗るときに、運転手に「Fircamonica Museum?」と聞いたら「Si.」と答えてくれた。降りる場所が近づいたら教えてくれないかなとちょっと思いつつ前の方の席に座った。

 

外を眺めていると、少しずつ小山の上の方に上っていることに気づいた。その途中で、大手に吸収されたのか、傘下に入ったのか看板が古くなっていてやっているかわからないアコーディオン屋さんを見つけた。アコーディオンは、構成するパーツがとても多く、昔は作るにあたって色々な人が関わっていたんだろうけど、機械の技術が発展して変わっていったんだろうなあ。

そんなことを考えていたら、斜め前に座ってた身長が高くて運転手さんと仲がよさそうなおじいちゃんに、声をかけられた。イタリア語はさっぱりわからないけど、おそらくここで降りてと言われた気がしたので降りた。

降車後、6番乗り場でこのバスについて教えてくれたお兄さんが、心配してくれたのか帰りのバスの時間と乗り場も教えてくれた。「Grazie!」と伝え、町に向かった。

 

街の入り口で、バスに一緒に乗っていた大きいおじいちゃんに会い、「アコーディオンミュージアムに行くの?」とおそらく言われた。「Si.」と伝えたら、おじいちゃんがものすっっごい勢いで何かを話し始めた。身振り手振りと巻き舌がすごい!身長も高いから演説か何かを聞いている気分だ!でもごめん、イタリア語はさっぱりわからん!!!英語は話せなさそうだったので、ここかな?というタイミングでとりあえず頷いた。体感5分ほど話した後、おじいちゃんはどこかに消えていった。きっと何かを教えてくれようとしたんだろうけど、何もわからなかった。次来るときはイタリア語を学んでから来よう…。

 

ちょうどお昼の時間だったので、近くの小さなカフェでバーガーを食べた。何人か地元の人が食事をしていたが、サンドウィッチのショーケースのほうにハエが飛んでいた。

それを見て、食べていいか少し不安になったが、死にはしないと思って食べた。薄めのジャンキーな味がした。

 

ご飯を食べ終わり、町を散策。石造りの道路で海も見えて、和やかで雰囲気も良かった。子供向けのアコーディオンの楽譜を買い、チラシが貼ってある掲示板を眺めていたら、アコーディオン奏者のcobaさんの姿があった。あれ、最近ここでコンサートがあったの?と思い日付を確認すると、まさかの昨日。嘘、昨日ここでコンサートがあったっぽいじゃん!惜しいことした~!

時は戻せないので、いつか生演奏を聞けたらいいな!と思いながら町の中心部にあるアコーディオンミュージアムに向かった。

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イタリア旅行記⑥(アンコーナ編)

フィレンツェを出て2,3時間。次なる経由地、アンコーナに到着。

あまりメジャーな都市ではないので知らない人も多いかもしれないが、東の方に位置する港町だ。駅から降りてまず思ったのは、壁に落書きが多く、治安が悪そう。ちょっと怖いなあと思いながら泊まる予定の宿へ向かった。

 

Booking.comで予約したその宿は町の大通りに面していると地図に書いてあったので、簡単に見つけられるかなと思いながら歩く。だが、一向に看板が見つからない。おかしいなあ。3往復ぐらいして埒が明かないと思ったので、電話したら、どこからともなく女性が現れた。英語で話しかけるが、通じない。困った!と思っていたら、相手が携帯を取り出して、英語を話せる男性とビデオ通話で話せという。なるほど、そういうことね。女性と部屋に向かいながらビデオ通話でチェックインを進める。ジャラジャラと色々ついている鍵を渡される。半手動のエレベーターに乗る。部屋に入って、その女性はそそくさと帰っていった。

…いや、これ、もしかして普通のマンションでは?下の階から子供がワイワイキャッキャする声が聞こえるよ?大丈夫なのかな…

不安になったが、もう他の宿を探す時間もなかったので、そこに泊まることにした。

 

お腹がすいたので、町で見かけた小さなピザ屋さんに入ることにした。

ただの腹ごしらえだったのであまり味は期待しなかったのが、イタリアのビール、PERONIがおいてあって少し嬉しかった。この当時働いていた飲食店がPERONIを扱っていたので、イタリアの空気を吸いながら飲むか!と思って頼んだら、思っていたものと違うものが届いた。日本においてあるものよりなんだか安い感じがする。値段も確かに安い。ネットで確認してみたら、同じPERONIだがだが現地では親しみやすい感じで安く作られているらしい。別物だった。でもその事実を知ることができてよかった。

 

食事後、ホテル(?)に戻って明かりがついていないロビーを通り、部屋の鍵を開けようとした。しかし、おかしい。どうしても鍵が開かない。慌てて他の鍵でも開くか試してみる。しかし、どの鍵でも開かない。時刻21時。さっきの電話にもう一度電話するが、出ない。え…私今日寝れない?いやでも寝たい。仕方なく他の宿を探し始めたら、電話が鳴った。どうやら、来てくれるらしい。彼女が扉を開けてくれた。どうやらコツがいるらしい。先に言ってほしかった…

久々の個室だったので、その夜は急いで眠りについた。

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