ウルフノート

楽しい嬉しいはっぴー美味しい

イタリア旅行記⑧(castelfidaldo編)下

人生には予想外のことがつきものである。思い通りにいかないことに腹が立つ瞬間もあるけど、予想外なことは、時に笑いながら、時に鈍感になりながらうまく乗り越えられたらいいなと思っている。

 

けれど、さすがに…

アコーディオンミュージアムが改装工事中で入れないとは予想外すぎるぜブラザー………ッ!

いや、改造工事をしていたことはホームページで知ってたけど、半年くらい前に施工終了予定って書いてあったよね?噓でしょ…うわああああ

入り口はがっつり扉が閉まっていて、「立ち入り禁止」と書いてあった。

少し落ち込んだけど、段々笑えてきた。17時間飛行機に乗ってやってきた目的地が、閉まってたなんて!とんでもない笑い話だ!友達にLINEで報告したら、憐れまれた。ありがとう!!!残り私ができることはこの町を感じて帰ることだ!と町の端から端まで歩いた。

 

街の中心の広間に近づいたときだ。日本語が聞こえた。少し驚いたけど、そのまま広間に入ったら、カフェがあって、日本人男性が三人、そこで話していた。皆楽器を持っている。服は公演で着るようなおしゃれな服を着ていた。

その場から少し離れた後、昨日見たポスターを思い出した。もしかして昨日の関係者かな?

ということで、戻って話しかけてみた。

私「あの、すみません!日本の方ですか?」

男性「そうですよ~」

私「そうなんですね!日本語が聞こえたので、驚いて話しかけてしまいました!楽器をお持ちなんですね!どこかで演奏されたんですか?」

男性「そうなんですよ、昨日演奏して」

私「そうなんですね。もしかして、cobaさんの公演ですか?」

男性「そうですそうです」

私「え!そうなんですか!私今日ここにきて公演のこと知って!知ってたら日程はやめて来たのに、惜しいことをしてしまいました…。今度日本で公演行きます!」

男性「ぜひまた今度!あ、まだcobaいるかな…?会えたら会います?」

私「え…いいんですか」

男性「いいですよ、こっちです」

なんたる急展開!あのcobaさんに旅先で会えるとは!そこから下った先のVictoriaのお店に行き、ついにcobaさんと会うことになった。

店内にいるのはVictoriaの店員であるお姉さんとcobaさんだった。紹介してもらって、Victoriaの説明をお姉さんから聞き、いざcobaさんと話すとなった時、てんぱりすぎた私は、なぜか「公演はいつですか!」と聞いてしまった。おいおい昨日って言ってただろうさっきの方々が…と思っていたら、「終わったよ、昨日だよ」と言われた。なぜよりにもよってその質問をしてしまったんだろう…と自分を呪った。cobaさんは出発する直前だったらしく、すぐにその三人といなくなってしまった。

 

私はお姉さんとお店に二人になった。そこで、アコーディオンミュージアムに来たけど閉まってて見れなかったことを伝えたら、「仮のアコーディオンミュージアムがあるから、案内するよ!着いてきて」と言われたので、喜んで着いていった。

そこに向かうと、アコーディオンの音が鳴る仕組みの展示や、小さいアコーディオンがあった。お姉さんが一つ一つ説明をしてくれた。そして、私の今旅最大の目的、ギネスに乗っている世界一大きなアコーディオンが一番奥にあった。私の身長より大きい。音が出せるので動かそう、と言って、おじいさんを連れてきてくれた。製作者の方だそうだ。そのアコーディオンは大きすぎて手では蛇腹を動かせないので、機械で動かしていた。

まず初めにおじいさんが手本を見せてくれて、私もどうぞ、と弾かせてくれた。片手で一音しか弾けないから、全身で人生のメリーゴーランドを弾いた。

 

三人で話しながら撮影をしていたら、お姉さんが途中でいっていなくなった。おじいさんと二人。おじいさんはイタリア語を話したが、私に通じないことを察した後、簡単なイタリア語の単語、ジェスチャーや表情でやり取りをした。

一通り館内を見終わったなあ…と思ったので、おじいさんに「Grazie mille!Chao!」と伝えて、Victoria本店を見に行った。まだお姉さんがいたので、感謝の言葉と、私が日本でアコーディオンを練習していて、そのきっかけはcobaさんだと伝えたら、「え、そうなのね!昨日の公演でcobaアコーディオンが若い人にも広がってほしいから、色々な活動をしているといっていたから、それは伝えた方がいい!動画を撮って送るね!」と言われ、緊張しながらも撮ることになった。

何を言ったか緊張で頭が真っ白だったので覚えていないけど、あの動画は本人に届いたのだろうか…。すんごく恥ずかしいけど、届いていたらいいなあ。

最後にお姉さんにこれ上げる!とかわいいアコーディオンのキーホルダーをもらった。

すごく嬉しかった。

 

すごく名残惜しかったが、その日はローマに泊まる予定だったので、昼過ぎにカステルフィダルドを離れることにした。

町の滞在時間、およそ5時間。とても濃厚な5時間だった。

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